スギだけじゃない春の花粉症‐こんなアレルゲンに注意‐

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春の花粉症の原因アレルゲンといえば、スギの花粉がよく知られています。
しかし、スギの花粉以外にもヒノキやハンノキなども花粉症の原因アレルゲンになり、この季節、花粉症の原因はさまざまです。
また、花粉症時期には目鼻が敏感になりますので、年間を通じて存在するダニやペット、ゴキブリなどの通年性アレルゲンにも注意が必要です。
花粉症など、アレルギー性鼻炎の治療は、アレルゲンの除去と回避、薬物療法、特異的免疫療法、手術療法に分けられます。中でもアレルゲンの除去と回避は、アレルギー性鼻炎の治療の基本とされています。
症状がひどくなる前に適切な診断を受け、原因アレルゲンを除去回避することが重要です。

◆こんなアレルゲンに注意しましょう! |
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■■ 季節性 ■■ |
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ハンノキ : 樹木(花粉) ハンノキは湿地、湿原や池沼のまわりに自生しますが、公園などにも植えられています。 1月から4月頃に花粉が飛散します。
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スギ : 樹木(花粉) スギ花粉は、2月から4月頃に飛散します。 スギ花粉症の発症年齢は低年齢化していると言われており、幼児のスギ花粉症例も報告されています。スギのアレルゲンはヒノキと共通した部分があるため、スギ花粉症の患者さんはヒノキ花粉でも症状が出る人もいます。
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ヒノキ : 樹木(花粉) ヒノキ花粉は3月から5月頃に飛散します。 スギとヒノキのアレルゲンには共通した部分があるため、スギ花粉症の患者さんでヒノキにも症状が出る人もいます。 (写真提供/社団法人林木育種協会) |
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シラカンバ : 樹木(花粉) シラカンバはカバノキ科の落葉高木で、北海道に広く分布します。また、本州でも、中部以北に分布しています。 4月中旬から6月頃まで花粉が飛散します。
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コナラ : 樹木(花粉) コナラはブナ科の落葉広葉樹で、北海道から九州にかけて分布しています。 4月から6月頃まで花粉が飛散します。
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ブナ : 樹木(花粉) ブナは落葉高木で、北海道南西部から九州南部まで分布しています。 本州以南では4月から5月頃に、北海道では5月から6月頃花粉が飛散します。
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ハルガヤ : イネ科植物(花粉) 高さは50センチメートル前後で、道端に生える多年草です。全国に広く分布します。 5月から7月頃に花粉が飛散します。
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カモガヤ : イネ科植物(花粉) 高さは1メートル前後あります。土止めとして高速道路沿いに植えられているほか、牧草として全国で広く栽培されています。 5月から7月頃に花粉が飛散します。
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オオアワガエリ : イネ科植物(花粉) 高さは1メートル前後です。牧草として全国で広く栽培されているほか、雑草化して道端や河川敷などにも生えています。5月から8月頃に花粉が飛散します。
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■■ 通年性 ■■ |
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ゴキブリ : 室内塵 ゴキブリは暖かく湿度の高い台所、風呂場付近を好み、ビルや飲食店にも生息します。通常は夏に繁殖しますが、熱源のあるところでは、年間を通じて生息します。死骸やフンが細かいチリとなり、鼻炎や喘息の原因アレルゲンになります。
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ダニ : 室内塵 ダニは、一般家庭のハウスダスト中に最も多く含まれるアレルゲンです。喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎など、多くのアレルギー性疾患の主な原因にもなります。例えば、ヤケヒョウヒダニは、ソファー、カーペット、ふとん、ベッドなどに生息します。
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ペット(イヌ・ネコ) : 室内塵 ペットのフケが主なアレルゲンになります。ペットの飼育を中止するのが一番のアレルゲン対策ですが、飼育する部屋を限定するなどの対策も有効です。飼育中止後も、壁や家具などにアレルゲンが付着したまま残っているので、丁寧な掃除が必要です。ペットのフケは衣服などに付着しやすいため、ペットを飼っていなくても学校や職場などにアレルゲンが持ち込まれることもあります。
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◆重症化を防ぐには? アレルゲンの除去と回避が重要
アレルギー性鼻炎の治療は、アレルゲンの除去と回避、薬物療法、特異的免疫療法、手術療法に分けられます。中でもアレルゲンの除去と回避は、アレルギー性鼻炎の治療の基本とされています1)。
以下に、「鼻アレルギー診療ガイドライン」に記載されているアレルゲン除去回避の方法をあげます。秋の花粉も、スギ花粉と同じ対策が有効です。
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■室内ダニの除去 |
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① |
室内の掃除には排気循環式の掃除機を用いる。1回20秒/m2の時間をかけ、 週に2回以上掃除する。 |
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② |
織物のソファ、カーペット、畳はできるだけやめる。 |
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③ |
ベッドのマット、ふとん、枕にダニを通さないカバーをかける。 |
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④ |
部屋の湿度を50%、室温を20-25℃に保つよう努力する。 |
| ■スギ花粉の回避 |
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① |
花粉情報に注意する。 |
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② |
飛散の多い時は、外出を控える、窓・戸を閉める、外出時にマスク・メガネを使う。 |
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③ |
表面がけばけばした毛織物などのコートの使用は避ける。 |
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④ |
帰宅時、衣服や髪をよく払い入室する。洗顔、うがいをし、鼻をかむ。 |
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⑤ |
掃除を励行する。 |
| ■ペット(特にネコ)抗原の減量 |
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① |
できれば飼育を止める。 |
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② |
屋外で飼い、寝室に入れない。 |
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③ |
ペットとベッドの飼育環境を清潔に保つ。 |
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④ |
床のカーペットをやめ、フローリングにする。 |
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⑤ |
通気をよくし、掃除を励行する。 |
◆原因となるアレルゲンを知るには? アレルギー検査「特異的IgE検査」が有効
アレルゲンを除去回避するには、原因となるアレルゲンを知ることが重要です。
自己診断でなく、アレルギー検査を受け、医師による適切な診断を受けることが必要です。
アレルギー検査には様々な種類がありますが、血中のIgE抗体(イムノグロブリンE、略称アイ・ジー・イー)を測定する「特異IgE検査」は、「鼻アレルギー診療ガイドライン」でも、重要な診断基準とされています1)。

IgE抗体についての情報はこちら
◆花粉症に合併することがある食物アレルギー ‘口腔アレルギー症候群(OAS)’
花粉症の患者さんで、果物や野菜を食べて、口・のど・唇のかゆみやピリピリ感などのアレルギー症状を起こす人がいます。これは‘口腔アレルギー症候群(OAS)’とよばれ、花粉と食物に存在する共通のアレルゲン(タンパク構造)による、食物アレルギーの一種です。
キク科花粉症の場合、ブタクサ花粉症ではウリ科の果物野菜(メロン、スイカ、キュウリなど)、ヨモギ花粉症ではセリ科の野菜(ニンジン、セロリなど)でOASを起こす人がいることが知られています2)。
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口腔アレルギー症候群(OAS)とは 食物を食べたときに、口腔・咽頭粘膜の過敏症状や、その他のアレルギー反応を起こす食物アレルギーです。 食後の多くは15分以内に、口腔・咽頭粘膜・口唇のかゆみ、ピリピリ感、腫れなどの症状が生じます。それ以外にも、下痢・腹痛、鼻水、結膜充血、ジンマシン、湿疹、喘息など、様々な症状を起こすこともあります。放っておくと、アナフィラキシーショックを起こすこともあるため、注意が必要です4)。 食物に単独でアレルギーを起こす場合もありますが、花粉症の人で合併することが多い疾患です。いちばんよく知られているのは、カバノキ科(シラカンバ、ハンノキなど)の花粉症でバラ科食物(リンゴ、モモなど)に対するOASですが、他にも様々な花粉と食物で反応が起こることがわかっています。(右表 : 3)より改変) ブタクサ花粉症はメロンやキュウリ、ヨモギ花粉症はニンジンやセロリに注意が必要です。
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(‘雑草花粉’についての詳細情報が閲覧できます)
(参考文献)
- 鼻アレルギー診療ガイドラインー通年性鼻炎と花粉症―2005年版(改訂第5版)
- 市河三次ほか. 花粉アレルギーと抗原植物―セイタカアワダチソウの謎を追う(黎明書房)1975年初版
- 山本美穂ほか. 口腔アレルギー症候群―Oral allergy syndrome―:アレルギー・免疫 2002;9;564.
- TemesvariEほか. Contact urticaria from watermelon in a patient with pollen allergy.:Contact Dermatitis 1993;28;185.