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昆虫アレルギー ~ぜんそくやアレルギー性鼻炎の原因~

私たちの生活環境には、多くの種類の昆虫が生息しており、その中にはアレルギーなどの健康被害をもたらすものがあります。
昆虫によるアレルギーとしてはハチ刺されがよく知られていますが、そのほかにも、昆虫の死骸やフンなどを吸入することにより、ぜんそくアレルギー性鼻炎を起こすことがあります。

ここでは、ぜんそくやアレルギー性鼻炎の原因として、とくに重要とされているガ、ユスリカ、ゴキブリについてご紹介します。

ハチアレルギーに関してはこちら

 

◆ガ、ユスリカ ~この季節は要注意!~ 1,2,3,4,5)

ガ、ユスリカはどちらも、春~初夏の年2回、とくに秋に多く発生します。
アレルギー症状は、アレルゲンに対してIgE(イムノグロブリンE、略称アイ・ジー・イー)という抗体が体内につくられ、この抗体のはたらきで起こります。ぜんそくやアレルギー性鼻炎の人で、ガやユスリカなどの昆虫に対するIgE抗体をもつ人は、秋に症状を起こすことが多という報告があります。
ガやユスリカのアレルギーはあまり知られていませんが、ぜんそくやアレルギー性鼻炎の患者さんでガに対してIgE抗体をもつ人の数は、ダニ、スギなどに次いで多といわれています。

 IgE抗体についての情報はこちら

 ●ガ

羽根をおおっている鱗毛(りんもう)鱗粉(りんぷん)が空中に飛散し、これを吸入することで、ぜんそくアレルギー性鼻炎を引き起こします。
 ガは、室外だけでなく室内にも多くみられます。室内の光に呼び寄せられるガのほかに、穀類や菓子類、衣類に発生する種類のものもあります。これら昆虫の鱗粉や死骸などがハウスダスト中に混入し、これを吸入することでアレルギーが起こります。

 

●ユスリカ
吸血する蚊とは異なる種類の蚊です。河川や湖・沼などで発生し、都会の川で蚊柱をつくって大量発生する種もいます。
死骸が細かい塵となって舞い上がり、吸入することによりぜんそくアレルギー性鼻炎を引き起こします。また、ガと同じく、ハウスダスト中にもユスリカの死骸が認められます。

 

 

 ◆ゴキブリ ~年間を通して繁殖~ 1,4,6,7)


通常は夏に繁殖しますが、熱源のある場所では年間を通じてみられます。
死骸ふんを吸入することにより、ぜんそくアレルギー性鼻炎を引き起こします。

ゴキブリはアレルギーの原因としてはまだあまり知られていないため、見落とされる可能性がありますが、実は重要なアレルゲンです。実際に、ぜんそく症状が出ていた患者さんで、ダニのアレルギー検査結果は陰性でしたが、ゴキブリが陽性であったためにゴキブリが症状の原因と判明し、駆除・清掃により症状が改善した例が報告されています。

 

 

 

 

(参考文献)

  1. 田中生男. アレルゲンとなる昆虫・ダニの生態:アレルギーの領域 1995;2;1150.
  2. 武藤敦彦. 汚染源としての昆虫:アレルギー・免疫 2000;7;448.
  3. 木野稔也. 大気中に浮遊する吸入性昆虫抗原―ユスリカ、チョウ、ガ、トビケラ―:アレルギーの臨床 1989;9;645.
  4. 奥田稔ほか. アレルギー性鼻炎における昆虫アレルギーの全国調査:日耳鼻 2002;105;1181.
  5. 足立満ほか. 成人気管支喘息における感作アレルゲンの全国調査:アレルギー・免疫 2006;13;548.
  6. 尾上洋一ほか. 小児気管支喘息におけるゴキブリアレルゲン陽性率とその抗原性の検討:アレルギー 1995;44;1207.
  7. 大石拓ほか. ゴキブリ喘息の家族症例:アレルギー 2004;53;1163.

 

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