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秋にもある花粉症 -キク科の雑草がおもな原因-

 

花粉症といえば春のスギ花粉症がよく知られていますが、秋にも花粉症があります。おもにキク科の雑草花粉が原因となり、ブタクサヨモギが代表的です。8月頃から花粉が飛びはじめます。
スギ花粉症に比べると頻度が低いためにあまり知られておらず、また風邪と間違えやすい症状のため、見落とされている可能性があります1)。

また秋には花粉以外にも、ユスリカなどの昆虫アレルゲンや、年間を通じて存在するダニペットゴキブリなどのアレルゲンにより、アレルギー性鼻炎を引き起こす可能性があります。症状がひどくなる前に、適切な診断を受け、原因アレルゲンを除去回避することが重要です。

 

秋にもある、目鼻のアレルギー様症状
アレルギー様症状が出た人を対象に、厚生労働省が平成15年に行った調査の結果を示します2)。
目鼻症状の出た季節でもっとも多かったのは春でしたが、秋にも全体の15%の人が症状を訴えていることが分かりました。(下図赤い部分)また一年中症状のある人が2割近いました。
「アレルギー性鼻炎」、「花粉症」といえば、冬から春のスギ花粉症、ヒノキ花粉症を連想しますが、秋に症状が出る人や、一年中症状が出る人も少なくないことが分かります。

目鼻のアレルギー様症状があった人の発症時季の割合(複数回答)

秋の花粉症。原因はおもにキク科植物
秋に飛散する花粉として、イネ科植物キク科のブタクサヨモギ、またクワ科のカナムグラがあげられています。とくにキク科の花粉が、秋の花粉症の原因となることがしられています。

 

主な花粉症原因植物の開花時期3)

 

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ブタクサ(キク科) 
道端、空き地、河川敷などに全国に広く分布し、秋の花粉症の原因として代表的な雑草です。とくに南関東で花粉症が増加していると報告されています1)。

ヨモギ(キク科) 
繁殖力が強く、平地から高山まで全国に広く分布しています。ブタクサとならび、秋の花粉症の原因として代表的な雑草です。

セイタカアキノキリンソウ(キク科) 
別名セイタカアワダチソウといいます。風によって花粉が飛ぶ風媒花でなく、昆虫により運ばれる虫媒花です。空き地、放棄畑、河川敷などに大群落をつくり、密生地で大量に花粉に曝露されることでアレルギー症状を起こすことが報告されています4)。
当社の特異的IgE検査の項目には、近縁種のアキノキリンソウを用いています。

カナムグラ(クワ科) :
原野、荒れ地、道端、堤防などに全国に広く分布します。花粉症の頻度は高くはありませんが、秋の花粉症の原因となります。

 

 花粉以外の秋のアレルゲン 意外と知られていない「昆虫」
秋は、ユスリカなどの昆虫アレルゲンがもっとも多くなる季節です。死骸が粉状になったものを吸入することにより、ぜんそくやアレルギー性鼻炎が引き起こされることがあります。これらの昆虫アレルゲンは一般にはあまりしられていませんが、重要なアレルゲンです。

 昆虫アレルギーについての情報はこちら

 

年間を通じて要注意! ダニ・ハウスダスト、イヌネコなどのペット、ゴキブリ
秋に限らず、ハウスダスト、ダニ、イヌ・ネコ・ハムスターなどのペットのふけ、ゴキブリは、年間を通じて存在しています。これらを吸入すると、ぜんそくやアレルギー性鼻炎が引き起こされることがあります。
室内で症状がよく出る場合には、これらのアレルゲンの可能性も考慮する必要があります。

 

重症化を防ぐには? アレルゲンの除去と回避が重要
アレルギー性鼻炎の治療は、アレルゲンの除去と回避、薬物療法、特異的免疫療法、手術療法に分けられます。中でもアレルゲンの除去と回避は、アレルギー性鼻炎の治療の基本とされています3)。
以下に、「鼻アレルギー診療ガイドライン」に記載されているアレルゲン除去回避の方法をあげます。秋の花粉も、スギ花粉と同じ対策が有効です。 

 ■室内ダニの除去

  ①

室内の掃除には排気循環式の掃除機を用いる。1回20秒/m2の時間をかけ、             週に2回以上掃除する。

  ②

織物のソファ、カーペット、畳はできるだけやめる。

  ③

ベッドのマット、ふとん、枕にダニを通さないカバーをかける。

  ④

部屋の湿度を50%、室温を20-25℃に保つよう努力する。
 ■スギ花粉の回避

  ①

花粉情報に注意する。

  ②

飛散の多い時は、外出を控える、窓・戸を閉める、外出時にマスク・メガネを使う。

  ③

表面がけばけばした毛織物などのコートの使用は避ける。

  ④

帰宅時、衣服や髪をよく払い入室する。洗顔、うがいをし、鼻をかむ。

  ⑤

掃除を励行する。
 ■ペット(特にネコ)抗原の減量

  ①

できれば飼育を止める。

  ②

屋外で飼い、寝室に入れない。

  ③

ペットとベッドの飼育環境を清潔に保つ。

  ④

床のカーペットをやめ、フローリングにする。

  ⑤

 通気をよくし、掃除を励行する。

 

 原因となるアレルゲンを知るには? アレルギー検査「特異的IgE検査」が有効
アレルゲンを除去回避するには、原因となるアレルゲンを知ることが重要です。
自己診断でなく、アレルギー検査を受け、医師による適切な診断を受けることが必要です。
アレルギー検査には様々な種類がありますが、血中のIgE抗体(イムノグロブリンE、略称アイ・ジー・イー)を測定する「特異IgE検査」は、「鼻アレルギー診療ガイドライン」でも、重要な診断基準とされています3)。

 

IgE抗体についての情報こちら



花粉症に合併することがある食物アレルギー                                                                         ‘口腔アレルギー症候群(OAS)’
花粉症の患者さんで、果物や野菜を食べて、口・のど・唇のかゆみピリピリ感などのアレルギー症状を起こす人がいます。これは‘口腔アレルギー症候群(OAS)’とよばれ、花粉と食物に存在する共通のアレルゲン(タンパク構造)による、食物アレルギーの一種です。
キク科花粉症の場合、ブタクサ花粉症ではウリ科の果物野菜(メロン、スイカ、キュウリなど)、ヨモギ花粉症ではセリ科の野菜(ニンジン、セロリなど)でOASを起こす人がいることが知られています4)。

 

口腔アレルギー症候群(OAS)とは
食物を食べたときに、口腔・咽頭粘膜の過敏症状や、その他のアレルギー反応を起こす食物アレルギーです。
食後の多くは15分以内に、口腔・咽頭粘膜・口唇のかゆみ、ピリピリ感、腫れなどの症状が生じます。それ以外にも、下痢・腹痛、鼻水、結膜充血、ジンマシン、湿疹、喘息など、様々な症状を起こすこともあります。放っておくと、アナフィラキシーショックを起こすこともあるため、注意が必要です6)。
食物に単独でアレルギーを起こす場合もありますが、花粉症の人で合併することが多い疾患です。いちばんよく知られているのは、カバノキ科(シラカンバ、ハンノキなど)の花粉症でバラ科食物(リンゴ、モモなど)に対するOASですが、他にも様々な花粉と食物で反応が起こることがわかっています。(右表 : 5)より改変)                                       ブタクサ花粉症はメロンやキュウリ、ヨモギ花粉症はニンジンやセロリに注意が必要です。         

          

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医療従事者向け情報はこちら
(‘雑草花粉’についての詳細情報が閲覧できます)

 

 

 (参考文献)

  1. 岸川禮子ほか. 秋の花粉症の種類と地域差:アレルギー・免疫 2006;13;1230.
  2. 厚生労働省大臣官房集計情報部. 平成15年保健福祉動向調査の概況 アレルギー様症状:厚生労働省ホームページ
  3. 鼻アレルギー診療ガイドラインー通年性鼻炎と花粉症―2005年版(改訂第5版)
  4. 市河三次ほか. 花粉アレルギーと抗原植物―セイタカアワダチソウの謎を追う(黎明書房)1975年初版
  5. 山本美穂ほか. 口腔アレルギー症候群―Oral allergy syndrome―:アレルギー・免疫 2002;9;564.
  6. TemesvariEほか. Contact urticaria from watermelon in a patient with pollen allergy.:Contact Dermatitis 1993;28;185.