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軟体動物
4月 4, 2008 |

当サイトに掲載されている内容は、医療関係者を対象として弊社の体外診断用医薬品・測定機器に関する情報提供を目的として作成しております。国外の医療関係者および一般の方々への情報提供を目的としたものではありませんのでご留意ください。

 イカ、タコなどの頭足類では、イカが食物アレルギーの原因食物として頻度が高く、ショック症状を引き起こした原因食物としても高い順位が報告されています1)。貝類は成人に多く、成人の食物アレルギーの原因食物として4位と高い順位を示しています2)。軟体動物はアナフィラキシーショックなどの重篤な症状を起こすことがあり、注意を要するアレルゲンです。また、摂食によるもの以外に、接触蕁麻疹の原因としても報告されています3、4)。軟体動物の主要アレルゲンはトロポミオシンとよばれる筋肉のタンパク質で、軟体動物以外にエビ・カニなどの甲殻類、ゴキブリなどの昆虫、ダニにも含まれ、これら共通抗原として知られています。軟体動物のアレルギー症例は甲殻類アレルギーを合併することが多いことで知られており5)、ゴキブリ、ダニなどにもアレルギー症状を起こす可能性があります6)。また軟体動物はヒスタミンなどが含まれるため、仮性アレルゲンとして症状を引き起こすことがあります7)。さらに、貝類は生の状態では腸炎ビブリオ、サルモネラ菌などが付着していることが多く、食中毒によるアレルギー様症状を起こすことでも知られています。
したがって、特異的IgE抗体の測定は、これら仮性アレルゲンや食中毒との鑑別にも有用です。

 

イカ・タコ

 イカは、食物アレルギーを引き起こした原因食物として頻度が高く、ショック症状を引き起こした原因食物としても高い順位が報告されています1)。イカは食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIAn)の原因食物としても知られ、小麦、甲殻類に次いで3番目に多いと報告されています8)。イカは、アレルギーを起こしやすい食品として、加工食品に原材料名の表示が推奨されています9)。また、イカにはアニサキスが寄生していることが多く、アニサキスによりアレルギー症状を起こすことがあります10)。(アニサキスについては、「寄生虫」をご参照下さい。)一方、イカに比べてタコのアレルギーの頻度は高くはありません。

 

アサリ・カキ(貝)・ホタテ

 アサリ、カキ、ホタテに対するアレルギーの報告は多くはありませんが、これらの貝にアレルギーを起こした症例で甲殻類アレルギーを合併した割合は高いと報告されており、甲殻類アレルギーではこれらの貝類にも注意が必要です11)。また、同報告では、甲殻類アレルギーを合併していない魚アレルギー児は貝類の感作例が少なく、このような例では貝類が代替食として利用できる可能性が示唆されています。

 

その他の特異的IgE抗体が測定可能な軟体動物

 ムラサキイガイ(ムール貝)

 

参考文献

  1. 飯倉洋治ほか. 重篤な食物アレルギーの全国調査に関する研究:食物アレルギーの実態及び誘発物質の解明に関する研究 平成13年度研究報告書 2002;16.
  2. 飯倉洋治. 食物アレルギー対策検討委員会 平成9年度報告書 1998
  3. 東山真里ほか. 魚介類による職業性接触蕁麻疹:皮膚 1990;32;219.
  4. 日野治子. 食物による接触皮膚炎:アレルギー・免疫 2002;9;671.
  5. 渡辺久幸ほか. エビ、イカアレルギーとそれらアレルゲンの交差反応性:アレルギーの臨床 1994;14;432.
  6. 宇理須厚雄. エビ・カニアレルギー:アレルギー・免疫 2003;10;706.
  7. 池澤善郎. 薬剤・食品によるかゆみ:アレルギー・免疫 2003;10;1348.
  8. 原田晋ほか. 食物依存性運動誘発性アナフィラキシー:アレルギー・免疫 2001;8;66.
  9. 向山徳子ほか監修. 食物アレルギー診療ガイドライン2005(協和企画)2005年初版
  10. 嶋倉邦嘉. 水産物のアレルゲン〔2〕:食品と容器 1999;40;80.
  11. 柴田瑠美子ほか. 魚介類アレルギーにおける貝、魚卵CAP特異IgE抗体測定の有用性:アレルギーの臨床 2003;23;954.

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