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魚は、卵、乳製品、小麦、ソバに続き頻度が高いとされる重要なアレルゲンです1)。厚生労働省による食物アレルギー対策検討委員会の結果では、成人において魚アレルギーは甲殻類に次いで多いと報告されています2)。また、魚に対するアレルギーは、離乳食が始まる生後半年から1歳台で最も多く発症するとも報告されています3)。症状は蕁麻疹が最も多く、喘鳴、消化器症状、アナフィラキシーも引き起こします4)。魚アレルギーは、多種の魚に対して反応を起こす例が多いことで知られていますが、これは魚の主要アレルゲンであるパルプアルブミンが、魚種間で強い交差性を有するためとされています。しかし、ある魚でアレルギー症状を起こした症例が他の魚にも症状を起こす割合は50%程度との報告があり、魚種に特異的なアレルゲンが存在すると考えられます5)。一方、魚は、魚以外の原因によっても症状を引き起こすことがあります。ヒスタミンなどが魚肉自身に含まれており、特異IgE抗体を介さず直接アレルギー様症状を起こすことが知られています。ヒスタミンは鮮度の落ちている魚、とくにサバ、マグロなどの赤身魚に多く含まれています6)。また、魚にはアニサキスが高率に寄生しており、魚摂取後に蕁麻疹を起こした例でアニサキスが原因であったとの報告があります7)。(アニサキスについては、「寄生虫」をご参照下さい。)

サバ
サバは、魚アレルギーの原因として最も頻度が高く8)、成人アトピー性皮膚炎では魚で最も高い特異IgE抗体保有率です9)。アレルギーを起こしやすい食品として、加工食品に原材料名の表示が推奨されています1)。また、サバはアレルギー以外に、ヒスタミンなどを含む仮性アレルゲンとして、またサバに寄生したアニサキスによるアレルギー様症状を起こすことがあることで知られています7)。
サケ
魚アレルギーの原因として高い頻度が報告されています3,8)。2歳未満の小児アレルギーでは、魚(サケ、マグロ、イワシ、タラ)で最も高い特異IgE抗体保有率です10)。アレルギーを起こしやすい食品として、加工食品に原材料名の表示が推奨されています1)。
マグロ
魚アレルギーの原因として高い頻度が報告されています8)。2歳以上の小児アレルギーでは、魚(サケ、マグロ、イワシ、タラ)で最も高い保有率を示しています10)。
イワシ
ワシは、シラス(稚魚)としても多く食され、小児の魚アレルギーの原因として高い頻度が報告されています3)。成人アトピー性皮膚炎でも高い特異IgE抗体保有率の魚です9)。またイワシは、イリコ製造業者に喘息を引き起こす吸入抗原としても報告されています11)。
タラ・カレイ・アジ
魚アレルギーの原因として高い頻度が報告されています3,8)。
参考文献
- 向山徳子ほか監修. 食物アレルギー診療ガイドライン2005(協和企画)2005年初版
- 飯倉洋治. 食物アレルギー対策検討委員会 平成9年度報告書 1998
- 渡辺一彦ほか. 小児における魚アレルギーの臨床的検討:昭和医会誌 2001;61;368.
- 小山晴美ほか. 魚介類・甲殻類アレルギーのアナフィラキシー:アレルギーの臨床 2000;20;457.
- Sicherer S.H. et al. Clinical implications of cross-reactive food allergens:J Allergy Clin Immunol 2001;108;881.
- 嶋倉邦嘉. 水産物のアレルゲン〔1〕:食品と容器 1998;39;701.
- Kasuya S. et al. Mackerel -induced urticaria and Anisakis:The Lancet 1990;335;665.
- 飯倉洋治ほか. 重篤な食物アレルギーの全国調査に関する研究:食物アレルギーの実態及び誘発物質の解明に関する研究 平成13年度研究報告書 2002;16.
- 池澤善郎ほか. 成人アトピー性皮膚炎における感作アレルゲンの全国調査:アレルギー・免疫 2005;12;1728.
- 西間三馨ほか. 小児アレルギー疾患におけるアレルゲン感作の全国調査:日本小児アレルギー学会誌 2006;20;109.
- 高本公. 開業医の立場からみた職業性喘息認識の必要性:アレルギー・免疫 2004;11;602.