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空中真菌
4月 4, 2008 |

当サイトに掲載されている内容は、医療関係者を対象として弊社の体外診断用医薬品・測定機器に関する情報提供を目的として作成しております。国外の医療関係者および一般の方々への情報提供を目的としたものではありませんのでご留意ください。 

 生活環境には多種類の真菌類が存在し、様々なアレルギー症状を起こすことが知られています。アレルギー症状の原因となる真菌は大きく分けて、室内外の環境中に存在する空中真菌と、ヒトの皮膚に常在する寄生菌があります1)(寄生菌については、「寄生菌」をご参照下さい)。空中真菌の発生しやすい環境は、(1)高湿、(2)20-30℃の温度、(3)有機物の多い汚れ、(4)長期間利用のない場所、(5)空気の滞留する場所、(6)ホコリの多い場所、(7)結露した場所等があげられます3)。近年、住居の気密性が高くなったために湿度が高くなり、カビが発生しやすい環境となっています。空中真菌の発生時期は、室内外ともに4月から11月で、5-7月の梅雨時期と9-10月の秋期をピークとし、冬期は少ないとされています3,4)。空中真菌の胞子は5μm前後で、多くが下気道まで到達するため気管支喘息、過敏性肺炎などの原因となりますが1)、胞子が大きいアルテルナリアなどは鼻にも沈着することからアレルギー性鼻炎の原因にもなります3)。

 

クラドスポリウム(クロカビ)

 空中では室内外ともに最も多く検出されます。汚染性が強く、汚染・劣化の主要真菌とされています。湿性・水系環境に多く、土壌、植物、空中、繊維、紙、木材、皮革、体表、ハウスダスト、油剤、目地、工業材料(プラスチック)、食品(乾燥穀類)など多様なところに発生します3)。アルテルナリアとは分類学上は属が異なりますが、共通抗原性があると報告されています5)。

 

 

アルテルナリア(ススカビ)

 クラドスポリウムと同じような分布をします2,3)。湿性環境に多く、木材、空中、土壌などに多く発生します3)。また、クラドスポリウムと共通抗原性があると報告されています5)。アルテルナリアは、気管支喘息以外にアレルギー性鼻炎を引き起こす菌としても重要とされています3)。

 

 

アスペルギルス(コウジカビ)

 自然界に広く分布します。生活環境では比較的乾燥したところに存在し、ハウスダスト、土壌、食品(乾燥穀類)、繊維、紙、木材、皮革などに分布します3)。気管支喘息のほか、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)を引き起こすことも知られています6)。ABPAはアスペルギルスの中でもAspergillus fumigatusという菌種が原因とされています7)。アルテルナリア、クラドスポリウムとは共通抗原性は低いと報告されています6)。

 

 

ペニシリウム(アオカビ)

 自然界に普遍的に分布します。生活環境では比較的乾燥したところに存在しますが、水系・乾燥系のいずれにも存在し、ハウスダスト、空中、特に室内空中に広く分布します2,3)。

 

 

その他の特異的IgE抗体が測定可能な空中真菌

 ムコール、ヘルミントスポリウム

 

生活指導用資料

 喘息・アレルギー性鼻炎の患者様向けの生活指導用資料として「カビのアレルギー対策」をNPO法人カビ相談センター様よりご提供頂きました(PDF版)。
 ダウンロード頂き、診療にご活用下さい。

カビのアレルギー対策

 

参考文献

  1. 信太隆夫ほか. 真菌アレルギー:アレルギーの臨床 1997;17;1014.
  2. 高鳥浩介. カビとアレルギー:アレルギー・免疫 2000;7;468.
  3. 高鳥浩介. 生活環境中の真菌とその生態:アレルギー 2005;54;531.
  4. 高鳥美奈子ほか. 最近10年間の相模原地区における空中飛散真菌:アレルギー 1994;43;1.
  5. Tee R.D. et al. Cross-reactivity between antigens of fungal extracts studied by RAST inhibition and immunoblot technique:J Allergy Clin immunol 1987;79;627.
  6. 竹内保雄ほか. アレルギー性気管支肺アスペルギルス症:アレルギーの臨床 2004;24;39.
  7. 坂本龍雄ほか. Aspergillus restrictusのアレルゲンとしての意義―Aspergillus fumigatusとの共通アレルゲン性に関する検討―:アレルギー 1991;40;1320.

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