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昆虫関連
4月 4, 2008 |

当サイトに掲載されている内容は、医療関係者を対象として弊社の体外診断用医薬品・測定機器に関する情報提供を目的として作成しております。国外の医療関係者および一般の方々への情報提供を目的としたものではありませんのでご留意ください。 

 昆虫は、屋内外で大量発生するものや屋内に常在するものも多く、生活環境で感作される機会の多いアレルゲンです。周辺環境で大量発生する昆虫は、死骸や糞の粉砕物が大量に存在するために、重要なアレルゲンとなります1)。特にゴキブリ、ガ、ユスリカは、ダニやスギに次いで気管支喘息、アレルギー性鼻炎における頻度の高い吸入性アレルゲンです2,3)。これらのアレルゲンとなる昆虫は、春から秋にかけて発生するものが多いため、昆虫アレルギーの患者も多くが春から秋に症状を起こします4)。昆虫アレルギーは問診から情報は得にくく、また皮膚試験用のアレルゲンエキスもないことから、特異的IgE抗体の測定が有用となります2,5)。

 

ゴキブリ(通年、特に夏に多い)

 ゴキブリは暖かく湿度の高い台所、風呂場付近を好み、ビルや飲食店にも生息します。通常は夏に繁殖しますが、熱源のある場所では年間を通じて見られます。アレルゲンとなるのは虫体と排泄物で、吸入することにより気管支喘息、アレルギー性鼻炎を引き起こします2,6)。ゴキブリはアレルギーの原因として見落とされがちですが、ダニやハウスダストには反応せず、ゴキブリのみが原因でアレルギー症状を引き起こした例の報告もあり、原因アレルゲンとしてゴキブリも念頭におく必要があるといわれています7)。

 

ガ(春~初夏、秋)

 ガは屋外、屋内ともに発生率が高く、調査した屋外の94%、屋内の90%から検出されたとの報告があります1)。屋外では樹木や街灯付近などに見られ、灯りに誘引されて屋内にも侵入します。穀類、菓子類や衣類に発生する種類もあり、羽化して室内を飛び回ります8)。ガとチョウは分類上ほとんど区別がなく、両者のアレルゲン性はほぼ同じです5,9)。ガは、羽を鱗毛(りんもう)や鱗粉(りんぷん)に覆われ、これらが飛散したものを吸入することにより気管支喘息やアレルギー性鼻炎を引き起こします。ガの特異的IgE抗体陽性率はダニやスギに次いで高く、昆虫の中では最も高いと報告されています2,3)。発生時期は春~初夏と秋の年2回に集中し、特に秋に多く、アレルギー症状の好発時期と一致します2,9)。

 

ユスリカ成虫(春~初夏、秋)

 ユスリカは、河川や湖沼など水域で発生し、都会の川で大量発生する種もあります10)。死骸が細かい塵となって舞い上がり、吸入することにより気管支喘息やアレルギー性鼻炎を引き起こします2,11)。発生時期は、ガと同じく春~初夏と秋の年2回に集中し、特に秋に多く、アレルギー症状の好発時期と一致します4)。

 

参考文献

  1. 武藤敦彦. 汚染源としての昆虫:アレルギー・免疫 2000;7;448.
  2. 奥田稔ほか. アレルギー性鼻炎における昆虫アレルギーの全国調査:日耳鼻 2002;105;1181.
  3. 足立満ほか. 成人気管支喘息における感作アレルゲンの全国調査:アレルギー・免疫 2006;13;74.
  4. 木野稔也. 大気中に浮遊する吸入性昆虫抗体―ユスリカ、チョウ、ガ、トビケラー:アレルギーの臨床 1989;9;645.
  5. Komase Y et al. IgE antibodies against midge and moth found in Japanese asthmatic subjects and comparison of allergenicity between these insects:Allergy 1997;52;75.
  6. 尾上洋一ほか. 小児気管支喘息におけるゴキブリアレルゲン陽性率とその抗原性の検討:アレルギー 1995;44;1207.
  7. 大石拓ほか. ゴキブリ喘息の家族症例:アレルギー 2004;53;1163.
  8. 田中生男. アレルゲンとなる昆虫・ダニの生態:アレルギーの領域 1995;2;1150.
  9. 木野稔也. 昆虫による吸入性アレルギーの存在―特に蝶、蛾およびトビケラによるアレルギーについてー:感染・炎症・免疫 1981;11;340.
  10. Ito K et al. Skin test and radioallergosorbent test with extracts of larval and adult midges of Tokunagayusurika akamusi Tokunaga (Diptera: Chironomidae) in asthmatic patients of the metropolitan area of Tokyo:Annals of Allergy 1986;57;199.
  11. 伊藤幸治. ユスリカアレルギー:アレルギーの臨床 1988;8;34.

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