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春季花粉症の原因の多くは樹木の花粉です。花粉の直径は10μm 以上の大きさのため、吸入されるとほとんどが上気道に沈着されることから、鼻、喉、目でアレルギー症状が起こります1)。近年、樹木花粉症に合併する食物アレルギー例が増加傾向にあるといわれています。とくに、ハンノキ、シラカンバ花粉症の約半数にみられる、リンゴ、モモ、ナシなどのバラ科果実アレルギーが良く知られています2)。スギでも少数ながらトマトによる食物アレルギーが合併すると報告されています3)。これら食物アレルギーは、花粉と果実のアレルゲン間の共通抗原性により発症します2,3)。
スギ(2‐3月)・ヒノキ(3‐5月)
いずれもマツ目に属する植物で、両者の主要アレルゲンに共通抗原性が認められます。スギは最も重要な花粉症の原因で社会問題となっています4)。感作、発症も低年齢化しているといわれ、幼児のスギ花粉症例も報告されています5)。ヒノキとの共通抗原性により、スギ花粉症の約60%がヒノキにも感作されています。このような例では、スギ花粉飛散終了後のヒノキ花粉飛散時期でも症状が持続すると報告されています6)。
ハンノキ(属)(1‐4月)・シラカンバ(属)(5‐6月:北海道)
いずれもカバノキ科に属する植物です。いずれかの花粉に対する花粉症例の約半数は果実アレルギーを合併しています。本州ではハンノキ花粉の飛散時期はスギとほぼ同時のため、ハンノキ花粉症と診断するのは困難です。しかし、東京の鼻アレルギー患者の20%にハンノキ花粉の感作があり、その半数に果実・野菜による食物アレルギーが認められたと報告されています7)。シラカンバはイネ科花粉とともに北海道の花粉症の重要な原因アレルゲンです8)。

その他の特異的IgE抗体が測定可能な樹木花粉
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カエデ(属)、ブナ(属)、ビャクシン(属)、コナラ(属)、ニレ(属)、オリーブ、クルミ(属)、ヤナギ(属)、マツ(属)、アカシヤ(属)、クワ(属) |
参考文献
- 奥田 稔.鼻アレルギー‐基礎と臨床‐:pp15-34; 医薬ジャーナル社 1999.
- 大砂博之ほか.Oral Allergy Syndrome.アレルギー科 1998; 6: 79.
- 近藤康人ほか.スギ花粉症とトマトのoral allergy syndrome.アレルギー・免疫 2001; 8: 866.
- 鼻アレルギー診療ガイドライン‐通年性鼻炎と花粉症‐.2005年版
- 増田佐和子ほか.アレルギー外来受診幼児におけるスギ花粉感作状況と幼児スギ花粉症の臨床的検討.アレルギー 2000; 49: 1138.
- 伊藤博隆ほか.ヒノキ花粉に対する特異IgE抗体の検索.耳鼻臨床1993; 86: 957.
- 奥田稔ほか.最近注目されている抗原について‐ゴキブリ、ペット、ハンノキ属花粉‐.アレルギーの領域 1998; 5: 761.
- 過去4年間における札幌地方のシラカンバ花粉の飛散と気象との関連、ならびに1997年の空中花粉飛散状況.アレルギー 1999;48;726.