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穀類は鶏卵、牛乳に次いで乳幼児において重要なアレルゲンです1)。穀類間には強い共通抗原が存在するため、同一患者で複数の穀類に対する特異的IgE抗体が検出されます2)。穀類に対して特異的IgE抗体が陽性を示す乳幼児アトピー性皮膚炎は重症例が多いと報告されています3)。穀類の場合、特異的IgE抗体が陽性でも当該穀類を摂取可能な例が他のアレルゲンに比較して多いといわれているので、摂取可否を問診や負荷試験などで確認することが必要です4)。
小麦、グルテン
小麦は、乳幼児の食物アレルギーおよび思春期に多い食物依存運動誘発アナフィラキシー(FDEIAn)の重要な原因となります1)。また、製粉、製パン、製麺業者で小麦を吸入することで喘息を発症することも報告されています5)。小麦アレルゲンは、塩溶液に可溶性の蛋白と不溶性の蛋白に大別されます。小麦は塩溶液に可溶性の成分を、グルテンは塩不溶性(実際はグリアジン)の成分を原料として用いています6)。いずれも小麦アレルギーの診断に有用ですが、とくに、グルテンはFDEIAnの診断に有用と報告されています7)。

ソバ
ソバはタデ科に属する植物で実際には穀類(イネ科植物)とは異なります。アレルギー症状が重篤(アナフィラキシーショックなど)なため、ソバは卵、乳、小麦、ピーナッツとともにアレルギー食品の表示義務項目に指定されています。また、小麦と同様に製麺業者の吸入アレルゲンになります。そばは学童~成人の即時型症状の原因となり、なかなか耐性が獲得しにくい食品です1)。
米
米アレルギーの頻度はそれ程高くありません。とくに重症のアトピー性皮膚炎患者で米に対する特異的IgE抗体が検出されると報告されています3)。
その他の特異的IgE抗体が測定可能な穀類
ライ麦、麦芽、大麦、オート麦、トウロモコシ、キビ、アワ、ヒエ
参考文献
- 食物アレルギーの診療の手引き 2005(主任研究者 海老澤元宏)
- Sicherer SH. Clinical implications of cross-reactive food allergens: J Allergy Clin Immunol 2001; 108: 881.
- 柴田瑠美子.多種食品アレルギー児の予後とアレルギーマーチ:食物アレルギー研究会誌2002; 2:12.
- Sampson HA et al. Relationship between food-specific IgE concentration and the risk of positive food challenges in children and adolescents: J Allergy Clin Immunol 1997; 100: 444.
- 上平知子ほか.小麦粉喘息の臨床免疫アレルギー学的検討:アレルギー 1986; 35: 47.
- Baldo BA et al. IgE antibodies to wheat flour components: Clin Allergy 1978; 8:109.
- Morita E et al. γ-Gliadin: a presumptive allergen causing wheat-dependent exercise-induced anaphylaxis: British J Dermatol 2001; 145: 169.